令和 2年 07月 20日

<岐阜県リアルタイム感染症サーベイランスの現在と今後について>

岐阜県医師会長  河合直樹

この岐阜県リアルタイムサーベイランスは2009年秋に当時の新型インフルエンザA(H1N1)pdm09パンデミックウイルスが本格的に国内流行するのに合わせて、2009年9月25日に正式運用を開始しました。すでに岐阜地区では医師会独自に1999年からインターネットによるインフルエンザサーベイランスを運用していましたが、2009年4月に海外での新型インフルエンザ発生を受け、県と協力してそれまで以上に地図やグラフを多用したより視覚的、精緻な全県向けのシステムを作り上げることができました。

この2009年のパンデミックにおいて本システムは情報発信ツールとして大きな成果をあげ、流行ピーク時には毎日5000件以上のアクセスを集め、かつ新聞、テレビ等のマスコミにも多く取り上げられました。そして以後も今日まで12年間に亘って、各医療機関の患者発生情報を冬のインフルエンザシーズン(11~5月)は日報、そして夏季(6~10月)には週報としてインターネットで発信し、かつ県下の小、中学校からは学級・学年・学校の閉鎖状況も毎日発信していただいております。また今日ではインフルエンザ以外のRSウイルスをはじめとした小児感染症13疾患の発生状況も年間を通して発信し、いまや本システムは医療・教育関係者をはじめ県民に広く利用していただいています。

2020年になった現在、新型コロナウイルス感染症が新たなパンデミックとして国内外で猛威をふるっています。今年の秋、冬以降は新型コロナウイルスとインフルエンザウイルスの同時流行も危惧されており、今後も本システムによる情報発信はますます重要になると考えています。今後とも県民の皆様のご期待に添えるように関係者一同、努力したいと考えていますので、どうぞ県民の皆様のご理解とご協力をよろしくお願い申し上げます。


平成 21年 09月 25日

<岐阜県リアルタイム感染症サーベイランスの運用開始にあたって>

岐阜県知事  古田肇

岐阜県におきましては、6月16日に初めての新型インフルエンザ患者が確認されて以来、9月24日までに257件の集団発生、10人の入院患者が確認され、現在、インフルエンザの流行期にあります。

県といたしましては、新型インフルエンザの国内発生当初より、妊婦や持病をお持ちのハイリスク者の皆様を如何に守るかを合言葉に対策を講じてまいりました。

そのためには、県内の各地域の流行状況を迅速に、そして正確にわかりやすく県民の皆様に情報提供することが重要であると考えており、その具体策が、この「岐阜県リアルタイム感染症サーベイランス」です。このシステムは、県医師会、県及び市町村教育委員会のご協力をいただき、県内の医療機関や学校から日々、インフルエンザの流行に関する情報が入力されて、自動集計のうえ、分かりやすく画面表示されるものです。県民の皆様におかれましては、この各地域の流行状況を把握していただいた上で、個々の感染予防策を講じていただければ幸いであると考えております。

県といたしましては、この「岐阜県リアルタイム感染症サーベイランス」のみならず、ハイリスク者を守るための医療連携の推進や円滑なワクチン接種体制の整備など、種々の対策に全力を挙げております。これらの対策は、医療機関はもとより、県をあげての取り組みが不可欠であり、県民の皆様のご理解とご協力をよろしくお願いいたします。

最後に、本システムの運営をお願いしております県医師会の皆様に感謝申し上げます。



<岐阜県リアルタイム感染症サーベイランスの発足にあたって>

岐阜県医師会会長  小林博

2009年4月に海外からの報道により、メキシコにおいて新型A/H1N1インフルエンザが出現したことが初めて明らかとなりました。その後国内では、5月に最初の感染者が出て、夏場も流行が続き、現在は秋から冬にかけての大流行が心配されています。

岐阜県医師会では4月以降、県と共同して新型インフルエンザへの対策を積極的に行うとともに、いちはやく行政、学校関係者と共同してこのサーベイランスの構築を進めてきました。そしてこの度、当初予想を大きく上回る県下の約300の医療機関、約700の小中高校のご協力を得て、全国の都道府県に先駆けての全県的リアルタイムサーベイランスを発足することができました。ここに本事業の立ち上げにご尽力頂きました各方面の皆様に厚く感謝致します。

今後このサーベイランスを利用することによって日々のインフルエンザの発生状況を迅速かつ的確に把握できれば、流行に対する対応もよりスムーズになるものと思われます。
このサーベイランスが県民の皆様のインフルエンザによる健康被害を少しでも減らすことに役立つことを心から念願しています。